株式会社アイユートの服部がお届けいたします。脱!どんぶり勘定を実践した会社様の様子をお知らせする事で、少しでも皆様方の経営改善のお役に立てればと発行させて頂きます。
第7回は年商7億円の商業施設の木工事を得意とする下請工事と新築住宅、 リフォーム工事等の元請工事を施工する工務店の資金繰り改善事例です。
銀行から借入申込の稟議書に添付する、資金繰り表の作成を提出するように、 指示されました。従来は経理担当の奥様が銀行員の質問に答えて、銀行の担当者が作成していたようです。弊社では、今回契約残の入金内訳書も含めて、 資料作成の相談を頂きました。
提出する資料を作る事は当初の目的ではあるが、基本に戻って何の為に必要か、経営に与えるメリットについてご説明しました。(同時に実務改善も実施)
- 目的は銀行から見て、お金が必要な訳(資金使途)(先の見通し)
- 会社から見て、先の見通しを立てる事。現在の受注(売上)ではいつ頃、資金が必要となるか把握する。
- 新しい契約受注がいつ頃迄に幾ら必要となるか?(経営者、営業担当役員)は知るべきである。(経理の問題⇒会社の重要な問題)
- 借入申込する場合に時間的余裕をもって申し込む(時間があれば選択肢も広がり資金は慌てるほど信用面で低下)
- 入金予定表の作成、支払予定表の作成(建設業は入金予定と支払予定の波が激しい業種の為、月の資金必要額が大きく変動する)
- 資金繰りを改善する為に他の方法も検討(遊休資産の売却・売掛金の回収)
特に売掛金の回収はずさんな会社も多く、会社毎の売掛金残高か分かっても中身(どの工事が入金残になっているか?)把握出来ていない。先方では買掛金で無く、既に値引き処理されているケースも多く見られる。 - 小工事の未請求分を調査(未請求の工事が8件名70万円程有った)
そんな話の後、過去6ヵ月前から、実際の結果においての資金繰り表を作成
その後、銀行提出の資金繰り表を作成出来る様ご指導させて頂いた。
次ページに作成例を表示
資 金 繰 予 定 表
(単位千円)
|
|
10月実績 |
11月予定 |
12月予定 |
1月予定 |
2月予定 |
繰 越 |
5,338 |
21,029 |
10,056 |
11,243 |
4,284 |
|
入 金 |
既契約入金 |
39,088 |
49,527 |
36,687 |
52,541 |
28,955 |
当月 入金 |
24,090 |
25,000 |
25,000 |
25,000 |
25,000 |
|
その他入金 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
入金 合計 |
63,178 |
74,527 |
61,687 |
77,541 |
53,955 |
|
支 出 |
10日給与 |
5,862 |
6,000 |
6,000 |
6,000 |
6,000 |
20日経費 |
3,088 |
3,000 |
3,000 |
3,000 |
3,000 |
|
月末工事金 |
28,021 |
70,000 |
60,000 |
75,000 |
35,000 |
|
月末返済金 |
3,968 |
4,000 |
4,000 |
4,000 |
4,000 |
|
社保・家賃 |
4,002 |
4,000 |
4,000 |
4,000 |
4,000 |
|
その他出金 |
2,546 |
2,500 |
2,500 |
2,500 |
2,500 |
|
特別 支出 |
0 |
1,000 |
6,000 |
0 |
0 |
|
支出 合計 |
47,487 |
90,500 |
85,500 |
94,500 |
54,500 |
|
|
資金 収支 |
21,029 |
5,056 |
-13,757 |
-5,716 |
3,739 |
調 達 |
新規契約金 |
0 |
5,000 |
5,000 |
10,000 |
0 |
借 入 金 |
0 |
0 |
20,000 |
0 |
0 |
|
その他調達 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
|
次月 繰越 |
21,029 |
10,056 |
11,243 |
4,284 |
3,739 |
このように資金収支がマイナスの月について、新規契約金、借入金等調達が必要になります。今回の一番の改善は、資金繰りが経理と社長だけの問題から、役員を交えて、会社の問題として、契約条件の改善、売掛金の回収の問題等
話し合われ経営者の意識改革に繋がった事です。
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第5回は年商8億円の注文住宅とリフォーム工事などを行っている住宅会社の改善事例です。
新築住宅の利益率、リフォーム工事の利益率、メンテナンス工事の利益率、その他商品販売等かなり利益率が変動しています。又この会社は一部下請で住宅工事も施工しています。会社の目標は全体売上が目標でした。でも工事高の内訳によって大きく粗利益が変動する事を説明しました。又雨漏り等の過去の引渡物件の瑕疵がある工事も区別せず、全体管理の状況でした。1年目に個別工事原価の管理と共に部門別に売上高・粗利益高を管理するように改善出来ました。目標はともかく、下表のような結果が1年の売上高・粗利益の額です。
部門名 |
完成工事高 |
工事原価 |
粗利益 |
利益率 |
利益構成 |
新築住宅 |
450,000 |
346,500 |
103,500 |
23% |
62.5% |
リフォーム |
60,000 |
39,000 |
21,000 |
35% |
12.7% |
メンテ工事 |
20,000 |
12,000 |
8,000 |
40% |
4.8% |
商品販売 |
20,000 |
17,000 |
3,000 |
15% |
1.8% |
下請工事 |
250,000 |
220,000 |
30,000 |
12% |
18.2% |
瑕疵工事 |
0 |
5,500 |
-5,500 |
―― |
―― |
合 計 |
800,000 |
640,000 |
160,000 |
20% |
100% |
この結果から判明した事は沢山有りますが、1番は下請工事の20%弱の全体利益構成に対して監督、積算、職人も含めて掛かる人員が多く経費倒れの感じが経営者の感想2番目にはリフォーム工事の利益率が30%と従来社内では言われていたが、実数は35%と良かった事、3つ目は瑕疵工事の経費が今迄計算外であった事です。そして各々の部門に掛かる人員と経費を分けて管理しました。又役員や事務職員の経費他共通費は本部費として売上案分して、合計の採算度合を役員会議で報告致しました。今年度は固定費が1億7千万掛かり赤字が1千万程計上された事。等過去の役員会とは違った具体的な計数が身近になり、対策を立てるのに参考になると最初は反対していた役員の声が有りました。
この他に瑕疵工事について大きな成果がありました。瑕疵工事の原因の検討、反省、分析が工事部で行われ結果、施工時の注意等の対策が検討された事及び150万円程度の支出が有った雨漏り工事で、原因が下請に有り交渉した所、下請のPL保険が使えて、保険会社から150万の入金が有った事です。
役員会にて次年度の数値目標が立てられました。固定費は500万削減して粗利益は1,500万増 経常利益は1,000万の目標です。
(具体的なプランが有ると結果の検証や変更が出来ます)
部門名 |
完成工事高 |
工事原価 |
粗利益 |
利益率 |
利益構成 |
新築住宅 |
450,000 |
337,500 |
112,500 |
25% |
63.2% |
リフォーム |
100,000 |
65,000 |
35,000 |
35% |
19.7% |
メンテ工事 |
20,000 |
12,000 |
8,000 |
40% |
4.5% |
商品販売 |
20,000 |
17,000 |
3,000 |
15% |
1.7% |
下請工事 |
150,000 |
130,500 |
19,500 |
13% |
10.9% |
瑕疵工事 |
0 |
3,000 |
-3,000 |
―― |
―― |
合 計 |
740,000 |
565,000 |
175,000 |
23.7% |
100% |
売上はマイナスの目標ですが、前年との違いは①下請工事の比率をへらしリフォーム工事の受注を増やし、人員配置も変更②新築利益率と下請住宅の利益率を改善(具体的に実行予算の管理と発注管理を確実に)③瑕疵工事の反省を活かし金額的に瑕疵工事の有った場合も実行予算を立て、協力業者に特別協力の要請など具体的目標の設定が数字に落とし込みされている事です。
此処で皆様にご理解頂きたいポイントは売上高では無く粗利益額が重要な事。
粗利益>固定費 前年は16000万<17000万の為赤字1000万。今年の目標は17500万>16500万の経常利益1000万確保です。
このように社内に計数管理が浸透して、利益意識が向上すると、原価の低減、顧客との金額交渉、経費の削減等、社員自ら目標達成の為に努力する事で、利益体質の良い会社に変身する1つの要因に成ると思います。
是非御社も目標管理、部門管理を始めませんか?
アイユートは中小建設業の社長様の補佐役として、大変厳しい状況でも常に、
粗利益と固定費を意識した利益体質の会社を創り出すお手伝いをさせて頂きます。
是非アイユートにご相談頂きます様宜しくお願い致します。
株式会社アイユートの服部がお届けいたします。脱!どんぶり勘定を実践した会社様の様子をお知らせする事で、少しでも皆様方の経営改善のお役に立てればと発行させて頂きます。
第3回は年商5億円の注文住宅とリフォーム工事などを行っている工務店様の改善事例です。
3月が決算の会社で、完成引渡が3月に多く発生致します。今年は残念ながら3月の引渡工事が例年に比べて大きく減少致しました。ただ年間通じての売上は減少していませんでした。社長は3月の落ち込みは有ったものの、全体の売上は維持出来ていたので、安心して決算が出ると思っていました。ところがびっくりした決算が税理士さんから出てきました。(大きな赤字が出ていた)為理由を、税理士さんに確認した所、利益率の大幅な落ち込みと言われました。
会社で受注した時の積算原価等、そんなに変わっていない事も掴んでいました。大きな疑問が生まれていました。
そこで紹介者を通じて、ご相談を頂き私が訪問調査させて頂きました。状況をお聞きして私の予想が当たっていました。少しの時間で原因を掴めました。
前年分 |
完成工事高 |
工事原価 |
粗利益 |
利益率 |
未払金 |
2月迄完成 |
400,000 |
316,000 |
84,000 |
21.0% |
0 |
3月完成高 |
100,000 |
50,000 |
50,000 |
50.0% |
25,000 |
前年 決算 |
500,000 |
366,000 |
134,000 |
26.8% |
25,000 |
本年分 |
完成工事高 |
工事原価 |
粗利益 |
利益率 |
未払金 |
2月迄完成 |
480,000 |
385,000 |
95,000 |
19.8% |
0 |
3月完成高 |
30,000 |
15,000 |
15,000 |
50.0% |
7,500 |
本年 決算 |
510,000 |
400,000 |
110,000 |
21.6% |
7,500 |
前年粗利益134,000-110,000=24,000千円が本年の決算で見込んだ数字との差額です。その分最終利益が落ち込んだ原因です。
未払費用 |
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
コンサルティングと原価プロにより、事務処理型の経理からの脱却・攻めのデータ・数値分析手法で経営改善を実現する。