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中小建設業の経営改善のヒントをレポート致します。
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株式会社アイユートの服部がお届けいたします。脱!どんぶり勘定を実践した会社様の様子をお知らせする事で、少しでも皆様方の経営改善のお役に立てればと発行させて頂きます。
第11回は前回に続いて限界利益額(損益分岐点売上)についてご説明させて頂きます。(NO.10を一緒にご覧下さい)
D社は年商6億円の専門工事とリフォーム工事の部門をもつ建設業です。前回は一般的な限界利益をご説明させて頂きました。今回は建設業に限定した決算書では解らない限界利益のご説明をさせて頂きます。
 

売上

6億


比例原価

4.74億 


限界

利益

1.26億 
 



固定原価0.26億


固定費

(販売管理費)

1.1億
 


 


赤字

0.1億




工事別集計をした完成工事原価は4.74億(粗利率21%)
固定原価0.26億の内訳が管理した過程で見えてきました。
制度会計に捉われなければ、限界利益は、
6億-4.74億=1.26億となり、損益分岐点売上は、赤字分の0.1億を
プラスして1.36億になります。
1.36億÷21%≒6.48億となります。
(前号でご説明の制度会計では6.6億)

① 固定原価の内訳をD社の事例でご説明します。(0.26億の内訳)
② 上図から利益感度(利益確保の為の4つの方法を分析)努力要点をご説明
③ 上図から目標利益の設定(年度利益計画)の立て方をご説明します。
④更に限界利益の目標設定 部門別(新築、リフォーム、元請、下請) 顧客別等
の設定についてD社の事例でご説明します。

固定原価の内訳を精査しました。結果大きく3つに分類されます。1つは土場の家賃、重機の減価償却費で1千万、前期工事の未払金が今期に支払された分が1千万、未成工事支出金の間接配賦額の差額が6百万(NO4参照)計2600万家賃他の1千万は完全に固定費に含まれ、前期の未払いは把握出来ない会社が非常に多く実行予算⇒発注書が出て管理されれば可能です。又未成工事支出金の間接配賦額は税理士さんによって計上方法が異なり、経営者は当期利益の変動要因でもあり、計算方法に興味を持って頂きたい。(1千万も利益が変動する理由に理解が必要)ともかく0.26億の内訳が判明されました。
2つ目の利益感度分析の説明をさせて頂きます。赤字の0.1億を0にする為の努力要点です。①固定費を0.1億下げる1.36÷1.26=1.08つまり8%の経費ダウンが必要です。②原価を下げた場合4.64÷4.74=0.979つまり2.1%の原価低減が出来れば赤字0です。③売上値引き6÷6.1=0.984つまり1.6%の値引きを防ぐ(又は値良く売る)事が出来れば赤字は0です。④売上は6.48÷6=1.08つまり8%の売上アップが出来れば赤字0です。利益感度順に並べると①売上値引き1.6%②原価低減2.1%③固定費低減8%売上アップ8%が各々収支0にする為の条件です。ここで言える事は銀行等がすぐに固定費を下げろ、売上上げろと注意頂きますが、努力要点としては、値良く売って、工事費を安くする方がはるかに効果が高い事です。社員の意識(交渉力、原価知識)計数管理の仕組み等に注力した方が利益が上がる事です。
3つ目の年度目標利益をD社の例で説明します。赤字1千万から来期は黒字1千万の目標設定をしました。固定費は同じと考えます。売上高も同じです。粗利益率を3.3%アップする事を目標にしました。(努力要点①と②に絞った)
6億X24.3%=1.46億(粗利益額)-1.36億(固定費)=0.1億(目標利益)
4つ目は目標利益を算出する為の個別目標の設定です。D社では下請工事の専門工事と元請工事のリフォーム工事が混在しています。前期は下請4億X18%=0.72億、元請2億X27%=0.54億合計限界利益は1.26億でした。値引き要請の多い下請工事の比率を減らし、リフォーム部門を少し増加と伴に原価の低減策(実行予算と発注管理)目標設定で、1.26億を1.46億に限界利益額を獲得する目標を設定しました。
下請3.4億X20%=0.68億、元請2.6億X30%=0.78億、合計1.46億の限界利益額の獲得です。結果受注条件の厳しい顧客先の受注を絞り(0.6億受注ダウン)しても利益率20%の確保を目指し、リフォーム工事の受注を増加させ原価も専門工事と同様の管理を実施して低減を図る目標に社員一同邁進して、月々のチェツクをして絵に描いた餅にならない様進んでいます。

結論です。利益改善は売上アップと固定費削減だけではありません。D社の事例で、会社を見える化する事で、リスク少なく、効率の良い方向に努力の力点を向ける事で、痛い思いも少なく経営改善が図れる事をご参考にして下さい。

 
アイユートはD社の様な多くの改善事例を中小建設業の経営者様に提供して、経営改善の補佐役として活動しています。是非ご相談下さい 

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プロフィール
HN:
服部 正雄
性別:
男性
自己紹介:
長年にわたる建設業での総務・経理経験を活かし、”脱どんぶり勘定”を目指す経営者様の補佐役として『株式会社アイユート』を設立し、事業に邁進する。
コンサルティングと原価プロにより、事務処理型の経理からの脱却・攻めのデータ・数値分析手法で経営改善を実現する。
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